アルコール除菌商品が品薄な今、「次亜塩素酸水」を知った方も多いのではないでしょうか? 現在、SNSで「次亜塩素酸ナトリウムを薄めれば手指消毒可能」等と様々な情報が流れていますが、誤った使用方法で事故が起きないことを願うばかりです。そこで簡単に、「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の違いをまとめました。良かったらご覧くださいね。
次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水とは、食塩水または塩酸を電気分解して作られる次亜塩素酸(HCIO)を主成分とする水溶液です。この次亜塩素酸水には有効塩素の含有量が規定されています。
次亜塩素酸ナトリウムは、食品衛生分野で使用されています。これは調理器具の除菌や漂白、嘔吐物の処理等、様々な用途で使用されます。次亜塩素酸水と聞くと、次亜塩素酸ナトリウムである「ハイター」を想像する方が多いようです。しかし、中身や性質は全く異なるので誤って使用すると危険です。次亜塩素酸ナトリウムを水で薄めた水は次亜塩素酸水ではありません。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの違い
①安全性
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは安全性が異なります。理由はpHの違いです。例えば微酸性次亜塩素酸水で、pH5.0~6.5の弱酸性に対して、次亜塩素酸ナトリウムは、pH12以上の強アルカリ性。つまり次亜塩素酸ナトリウムは肌に触れると、火傷をした時のような症状を起こしてしまいます。それは強アルカリ性特有の性質がタンパク質を腐食するからです。勿論、希釈して手を消毒するために作られたものでもありません。
一方、次亜塩素酸水は、高濃度の有効塩素濃度でも弱酸性のpHなので肌に付着しても全く問題がありません。実際、医療現場では器具の除菌や血液の消臭の他、治療目的で直接肌につけて使用されることもあります。
②除菌力
次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムの約80倍の除菌力があります。比較的低い有効塩素濃度でも短時間で対抗します。また弱酸性なので人に優しく安全性が高いです。
一方、次亜塩素酸ナトリウムは除菌効果は低いです。使用時には希釈が必要で、ゴーグルや手袋をする、強いガスが立ち上がるため換気する等の注意点があります。何と言っても強アルカリ性なので、手指除菌に家庭で気軽に扱うことは考えにくいです。使用後の水拭きが前提で掃除には使えるかもしれません。
まとめ
冒頭でも触れましたが、特にTwitterは短文投稿で危険性についてまで書かれてはいないことが多いので、少し心配です。筆者も含めて各々情報の断捨離が必要かもしれません。安心安全に使用して素敵な1日をお過ごしください。